選定の際の注意

(1) 薄肉軸受は、軸やハウジングの精度にその性能が大きく左右されます。はめあいの表に示す範囲を十分によく満足する軸受回りの精度が必要です。特に6700,6800シリーズを使用の際に御不明な点がありましたら当社に御相談下さい。

(2) 冠型(W)保持器を使用している軸受を高加速度・重荷重・衝撃荷重で使用の場合や立軸に使う場合、潤滑油で強制潤滑する場合で、御不明な点がありましたら当社に御相談下さい。

(3) 焼付き・早期剥離・騒音大等の異常を起こさないように、はめあい・すきま・グリースの選定には、回転数・荷重・温度を充分に考慮する慎重さが必要です。

(4) フルボールは、低速・重ラジアル荷重の用途に適しており、比較的わずかなアキシアル荷重で、ボールがスロット溝より飛び出る危険があるので、使用条件に充分注意が必要です。


軸受の取扱と保管

(1) 錆の発生防止のために軸受の保管は、温度20℃前後、湿度65%以下で床に直置きせず(床上30cm以上の棚に保管するのが望ましい)、直射日光の当たる場所や冷たい壁面に接しないようにすべきです。

(2) 軸受の取扱は、周囲をきれいにし軸受に手の汗や汚れが付着しないようにする。また取扱の作業標準を定めてそれに基づき軸受を熟知している人が取扱うようにする。特に傷・圧痕・欠けは慎重で丁寧な取扱が必要です。

(3) 酸性雰囲気に軸受を置くと錆びや変色が発生しやすく、また軍手や木綿のウエスで軸受・シャフト・ハウジングを拭くとゴミが軸受内部やはめあい部分に入り込み異常の原因となるので注意が必要です。


取付

(1) 取付前の注意事項
  a) 軸受を取付ける場所は、清浄にし取付治工具もきれいにする。
  b) 新しい軸受を取付ける際は、直前まで開包しないこと。
  c) 使用する油またはグリースは容器を密封しておくこと。
  d) シャフトやハウジングは洗浄し、傷・圧痕・かえり等がないことを確認しておくこと。
  e) グリース潤滑の時は、軸受を洗浄しないでそのまま使用する。
  f) 油潤滑の時は、清浄な洗浄油を用いて軸受の防錆油を除去する。

(2) シャフト及びハウジングの検査
  a) シャフトやハウジングの寸法・精度・仕上面粗さが所定の通りか確認する。はめあい面が粗いと使用中にはめあいが緩くなりクリープする事がある。隅の丸みが軸受面取rsminより大きかったり、肩面が振れていると軸受が直角に取り付かず、モーメント荷重・振れ回りが発生し寿命が短くなる。
  b) 軸受2個以上を1本のシャフトに取付けて使用する場合に、温度により軸長さが変化するので、片側の軸受は固定とし、もう一方をハウジング内で移動出来るようにするのが一般的であり、この場合に軸方向に移動出来るすきまを確認しておく必要がある。


軸受の取付方法


(1) 内輪しまりばめ
内輪回転荷重でしめしろの少ない小さい軸受に対してはプレス等で圧入する。しめしろの多い場合や大きい軸受に対しては、油構や誘導加熱装置等で120℃以下の温度で焼きばめする。

(2) 外輪しまりばめ
外輪回転荷重でしめしろの少ない小さい軸受に対してはプレス等で圧入する。しめしろの多い場合や大きい軸受に対しては、ドライアイス等で冷却し冷やしばめする。この時、水分に対する防錆処置を考慮する必要がある。

(3) 外内輪しまりばめ
外内輪を同時に圧入しなければならない時は、軸受の平面部分が同時に接触する当て金を用いて行う。尚、圧入作業はシャフト・ハウジングのはめあい面に高精度の油を塗布しておくとよい。


運転検査

(1) 小型の装置は手回しで回転させ、トルク過大・回転むら・引っ掛かりの無いことを確認する。

(2) 手回し出来ない装置は無負荷で始動し、直ちに惰走運転に切り替えて上記(1)と同様の確認を行う。

(3) 上記(1)又は(2)で異常が無ければ、無負荷・低速からゆっくりと正規回転まで上げる、動力試運転を行う。この時の温度上昇や振動に異常が無い事を確認する。


軸受の取り外し方法

(1) しまりばめの軸受の再利用や故障の原因追及のために取り外しを行う場合に、軸受が損傷しないように取り外しのし易いような設計及び取り外し専用治具を製作しておくのがよい。

(2) しまりばめの内輪の取り外しは、プレスによる場合内輪に当て金を当てる。また、爪が掛かるようなシャフトの設計にしておけば、プーラーを使用する事も出来る。

(3) しまりばめの外輪の取り外しは、ハウジングの肩にボルト穴や切欠を設けるとよい。  

  BACK<<  >>NEXT