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11.摩擦トルク

摩擦トルク(参考)

転がり軸受の摩擦トルクは軸受荷重や潤滑状態などで変化する。特に潤滑剤にグリースを用いた時は、軸受の摩擦トルクの他にグリース抵抗が加わる。軸受荷重が普通荷重(Cr/P>12、Fa/Fr<0.2)で潤滑が良好(油潤滑)の時、運転中の軸受の摩擦トルクは次式で表される。

M=μ×Pr×d/2

M=摩擦トルク(N・mm)
μ=摩擦係数
Pr=ラジアル荷重(N)
d=軸受内径(mm)

軸受形式 摩擦係数μ
深溝玉軸受 0.0013
アンギュラ玉軸受 0.0015
スラスト玉軸受 0.0011

温度上昇

軸受を使用すると、回転による摩擦とグリースの撹拌抵抗により温度が上昇する。一般に運転初期は急激な温度上昇をするが、軸やハウジングからの熱放散と潤滑による冷却効果のためにやがて定常状態となる。もし温度上昇が長時間に及ぶ場合は、軸受のすきまの減少、回転精度の低下、潤滑剤の劣化などを来たし早期寿命の原因となる。

従ってこの様な状態が発生した時、軸受選定仕様、軸受回りの設定構造、潤滑剤、潤滑方式の選定などを再度見直し検討する必要がある。